私の専属王子は金髪君
トントン叩いても離れてくれなくて、
結局どれくらいだろう。


数秒かもしれないし
数分だったかもしれない。
正確な時間は分からないけど、
やっとこ唇が離れて
大きく酸素を取り込んだ。


「もう!何するの…!」


キッと睨んでも全然効果なくて


「だって急にしたくなったんだもん!」


ペロッと舌を出す玲央。
さっきまでの緊張感溢れる空気は
何処へやら。


お調子者の玲央が戻ってきてしまった。


はぁ、と呆れてまた玲央を見ると
突然大人っぽい意地悪な笑みを浮かべて


「…でも、嫌じゃなかったでしょ?」


断定系で聞いてきた。


この言葉のせいで
私の頬は真っ赤に染まった。


玲央の色気と声にやられたのと、
一番の理由は
それが図星だったから。
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