私の専属王子は金髪君
「…玲央?」


気付いたときには
彼の名前を呼んで
頬に手を添えていた。


…どうして
そんな風に笑うの?


何で切なそうな顔をするの?


声には出さなかったけど、
目でそう問いかけた。


私の疑問が
玲央に伝わったのかどうか
それは分からないけど、
私が添えた手に自分の手を重ねて
さっきとは違う
柔らかい笑みを浮かべた。


「凛の手あったかいね。」


…へ?


予想をしていなかった言葉に
呆然としてしまう。


…私の気持ちは伝わらなかったみたい。


でも、それでいいと思った。


冷静になって考えたら、
今日初めて話した相手の事
深く詮索するのはよくないよね。


だから玲央に微笑み返して
そっと手を離した。


そしてもう一度目線を合わせて
これだけ伝えた。


「私、ここにいるよ?」


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