私の専属王子は金髪君
振り返ると
想像通りの人物がそこにいて


「凛、おはよう。」


私の前まで来て
ふわっと人懐っこい笑みを浮かべた。


「…おはよう、玲央。」


だから私も、制服を緩く着こなした
金髪君に同じように返した。


「やべ~!
朝から凛に微笑まれた!
俺、今日一日頑張れる!」


そんな、大げさな…。
ってか私微笑んでた?


気付かなかった。
無意識のうちに頬が緩んでいたみたい。


玲央の屈託のない笑顔に
私は昨日の恥ずかしさを忘れ、
ただただ玲央がいたことに
喜びを隠せなかったらしい。


「そう言えば、よく分かったね?
この時間の電車だって。」


「だって凛、基本的に
時間には正確だろ?
だから、ギリギリじゃなくて
余裕のあるこの時間の電車だって
思ったんだよね~。」
< 41 / 233 >

この作品をシェア

pagetop