私の専属王子は金髪君
改めて名前を呼ぶと
今にも消えてしまいそうな
小さな声で


「…勝手にいなくならないで。」


そう囁いた。


いつも自信に満ち溢れた玲央は
今はすごく小さく弱く見えた。


こんな玲央を見たのは初めてで
戸惑ったけど、
とにかく謝らないとと思って
口を開いた。


「玲央ごめんね?
玲央の隣は私だと
似合わないと思って…。
ちょっとずつ距離を開けたの。
心配掛けるつもりは
なかったんだけど…。
本当にごめんね。」


何も返事をしない玲央を
不思議に思ったけど
少しして上から声が聞こえた。


「凛が俺から離れたら
守りたくても守れないから…。
お願いだからそばにいてよ。」


その声はさっきと同じ、
消えてしまいそうなくらい細くて
弱弱しかった。


でも、私を抱きしめる腕の力は強くて
本気でそう言ってるんだな
っていうのが痛いくらいに
伝わってきた。
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