私の専属王子は金髪君

慌ててその手を離すと
玲央は拗ねたように
唇を尖らせて


「何だ言わなきゃよかった。」


足元の小石を軽く蹴りながらそう言った。


可愛い……


じゃなくて！
ぐるっとまわりを見渡すと
当たり前だけど
生徒の注目を集めていて
先輩方からはとんでもない
視線が突き刺さっていた。


これは…まずい。


「わ、私先行くから！
じゃあね！！」


それだけ早口で玲央に告げて
逃げるように自分の教室へ向かった。


＊＊＊


「はぁ……。」


学校に来るまでに引き続き
教室まで全力ダッシュをした私は
もう体力は残っていなくて
席に座るなり机に顔を伏せた。


走ったせいで
熱くなった体に、
ひんやりとした机の
冷たさが心地よかった。