私の専属王子は金髪君
「ほら!早くしないと
閉園しちゃうよ!
あと3時間しかない!」


照れる暇を与えられず
私達はパークの中に足を踏み入れた。


「え、チケット!」


玲央はチケット売り場へは行かず
直接入園ゲートへと向かって行く。


「買わなくていいの?」


「大丈夫、もう買ってあるからさ!」


そう言ってポケットから出てきた
可愛いキャラクターが描かれた
チケット2枚。


「いつの間に…。」


「昨日、来ようと思ってたから。」


玲央は申し訳なさそうな顔をして
小さく笑った。


…そう言う事だったんだ。


「玲央、ありがとう!」


これ以上、玲央に暗い顔をさせたくなくて
明るく振る舞うと、単純なのか
玲央もいつものように屈託のない笑みを浮かべた。
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