私の専属王子は金髪君
「私こそ、字書いただけだよ?」


労力は玲央の方が
何倍も使っているはず。


「その字がなきゃ
しおりにはならないだろ?
俺、破壊的に字は汚いから
凛が綺麗な字で助かった!」


玲央の浮かべた柔らかい笑みに
胸が高鳴った。


玲央は私を喜ばせる天才だ。


字が綺麗だと褒められるのは
私が一番嬉しい事だから。


お母さんが書道の先生って事で
小さい頃から書道を習っていた私。


そのおかげで今まで
何度も賞を獲ってきた。


私が唯一、努力してきて
人に自慢できるのは
それくらいだから。


だから、自分の頑張りを
認めてくれたみたいで
本当に嬉しかったんだ。


「…ありがとう。」


照れたようにお礼を言うと
ニッとはにかんで応えてくれた。
< 89 / 233 >

この作品をシェア

pagetop