私の専属王子は金髪君
「そろそろ帰るか~。」
机の上に散らばった用紙や
ペンを片づけ終わった頃には
時計の針は18:00を指していた。
外を見れば陽が沈みかけ、
辺りは暗くなろうとしていた。
「凛、送ってくから一緒に帰ろう。」
カバンを肩に掛けた玲央が私を見て言った。
「え、いいよそんな!
ほら、うち遠いし…。」
玲央の家がどこかは知らないけど、
多分私と同じ方向ではないから
それは申し訳なくて気が引けてしまう。
「何言ってんの!
俺、凛の彼氏でしょ?
ここで凛の事送ってかなきゃ
彼氏失格でしょ!」
「でも…」
「でもじゃないの!
…ってか本当はもっと
一緒に居たいだけなんだけど…。」
そう言って玲央は鼻の下を
人差し指で擦った。