私の専属王子は金髪君
「凛、お帰り。
お母さんちょっと出かけて…」


最後まで言い切る前に
お母さんの言葉は止まり、
視線を辿れば玲央の方を見ていた。


あ、そっか。
お母さんには話してなかったな。


「こちらね…」
「初めまして。夏目玲央って言います。
凛さんと、お付き合いさせて頂いてます。」


私が紹介する前に玲央は自己紹介をして
頭を下げた。


玲央がこんなに真っ直ぐ
私の親に挨拶してくれたことが嬉しくて
1人ニヤける頬を抑えられずにいると


「…して。」


「え?」


お母さんが何か言ったような声がして
そちらを向くと
何とも言えない複雑な、
怒ったようにも見える表情をしていて


「…お、かあさん?」


恐る恐る呼びかけると
ハッと我に返ったように笑顔を取り戻して


「…送ってくれたのね。ありがとう。
でも、ごめんなさいね。
私買い物に行かなくちゃいけないの。」
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