櫻春風花ーかざはなー
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「で、勝ちゃん、考えっつーのは?」
一息ついて、話始めた近藤に、その場にいた全員が唖然とした。
その考えというのは、
「その娘を養女とろうと思うんだ。」
「「「「「はぁぁぁぁ!?」」」」」
「だがこれで、しばらくここに置く義理が出来ただろう?」
「勝ちゃん、本気か?」
「あぁ、もちろん、しばらくここに置いておくが、落ち着いたら、江戸の実家に連れていくさ、これでいいだろう?」
近藤の考えというのは、自分が少女を養子に迎え入れ、一段落着いたら江戸の実家へ連れていく、というものだった。
これには、さすがの土方も否という理由もなく、全員納得したようだ。
心なしか、少女の表情がほころんだ気がした。
「あ。」
突然まぬけた声を出した藤堂。なにか重大なことに気付いたようだ。