櫻春風花ーかざはなー
「なんだァ?平助。」
「そのコ、名前なんてゆーの?」
確かに、名前も聞いていない。その前に、あるのかどうかもわからない。
「ねぇ君!名前は?」
急に話をふられ、驚いた様子の少女。
そして、ふるふると首を横に振った。
つまり、今のこの少女に、呼び掛ける名前がないのだ。
「あ、そっか。捨て子…。そりゃ思い出したくもないよね、自分を捨てた親にもらった名なんか。」
苦笑いをしながらごめんねという平助のとなりで、新八が拳で掌をポンとたたいた。
なにか思い付いたようだ。
「じゃあ、新たに名前を付けちゃえばいいじゃん!」
「「「それいいかも!」」」