櫻春風花ーかざはなー
「瑠璃のことか?」
初めから知っていたかのように、ゆっくりと口を開いた近藤。
そして、土方の返答を待つ。
「あぁ。」
やはりそうか、とでもいうように、にっこりと笑い、先を促す近藤。
もっとも、土方の言わんとすることはあらかた読めているのだが、「あいつは、
いつ、江戸に連れていくのか?」
「大分温かくなってきたことだし、江戸に送った返事の文も先日受け取ったし。そろそろかな、とは考えているんだが。
瑠璃の意志も聞いておこうと思ってな。
どう思う?」
「やっぱりな。
あんたなら、そういうと思った。
俺も、そのほうがいいと思う。総司も今日は非番だ。やつらも呼んで、早いうちに話したほうがいいんじゃねぇか?」
彼も、彼なりに心配していたらしく、早めに話しておこう、というものだった。
これに頷き、同意をしめす近藤。