櫻春風花ーかざはなー
「……わ…私は、
私は、ずっと、ここにいたいです。」
「「「「「「!!」」」」」」
これには例外なくその場にいた全員が驚いた。
それもそのはず、
ここに来て一度だに声すらも発したことのない瑠璃が、はっきりとした口調で、それもしっかりと言葉を紡いだのだから。
驚愕の答えに、その場にいた全員が硬直している。
そんな静寂を破ったのは、土方だった。
「瑠璃。言っておくが。ここはお前のような女がいるような場所じゃあない。
俺のいうこと、分かるな?」
「はい」
いつ何時、何が起こるかわからない。
壬生浪士組の屯所は、人家ではあるが、危険なのである。
「……………」
無言で瑠璃をまっすぐ見つめる近藤。
―局長として、また父親として、瑠璃にとやかくいわない。―
それが彼の答えである。