櫻春風花ｰかざはなｰ

「はぁ……」




土方は大きなため息をつき、口を開いた。




「俺もなぁ、こんなこと言いたかねぇけど

正直なところ、女でしかも年端のいかない子供をここに置いたところで俺達には何の利益もねぇし、むしろ迷惑になんだよ。」



「土方さん…！」



表情を歪めて話す土方に、心配そうに声をかけたのは沖田。



「それにな、ここで生きていくということはいつか絶対に「人を斬らなければならない。」っ！」



土方が全て言い切る前に言葉を遮ったのは瑠璃だった。



「そうですよね？土方さん。」


瑠璃色の瞳はまっすぐに土方に向けられている。




「……そうだ。
お前に、その覚悟があるのか？」


「三月。」


「あ？」


「三月だけ私に時間をください。

それで私が使い物にならなかったら……




私はここで、腹を切ります。」



「「「はぁ！？」」」




「これが私の覚悟です。」



瑠璃は本気だ。