櫻春風花ーかざはなー
彼等がこんな雑談をしているのを知ってか知らでか、中庭には、土方の怒鳴り声と瑠璃の返事が聞こえてくる。




「おぉコワ…」




鬼の副長と称されるだけあって、稽古も容赦はない模様。





「でも土方さん、なんだかんだいって瑠璃ちゃんのことが大事なんですよ。」



「ここに残ること最後まで反対だったのになー」



団子を頬張りながら練習風景を見つめる沖田と藤堂。


「ま、だから副長は責任感じてんだろーけどな。」



後ろから声をかけたのは永倉。その手には最後の団子が一本。



「あんまり無茶させないでほしいのがホントのとこ…

あー!最後の一本!
とっておいたのにー!!」


甘党の沖田は、永倉の手にある団子を見つけるやいなや、怒りだした。

そんな沖田に呆れる永倉は、盛大な溜息をついた。



「目ざといやつ。
別にいいだろーが、お前食ったんだし!」



「よくないです!」



「あーもー…
うっさい!」




「あーあ、また始まったよ…」





自分達が大声で言い合うのをよそに、藤堂が一人お茶を啜っていたのに気がつくのはもう少し後の話。

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