櫻春風花ーかざはなー
「つーかさ、なんであそこで稽古してるわけ?道場じゃなくて。」
思い出したように永倉が尋ねると、沖田が軽くため息を漏らしながら答えた
「他の人の稽古の邪魔になるんですって。」
「ふーん。」
「まぁ実際は逆に、邪魔されたくないんでしょうけどね。」
くすくす笑う沖田を見て永倉は少しだけ眉を歪めた。
「お前さ」
「はい?」
「心配じゃねぇの?アイツのこと。」
キョトン。として永倉を見つめると、伏し目がちに笑いながら言った。
「そりゃあ心配ですよ。
日に日に身体の痣は増えるし、泣きながら稽古から帰ってくるし、土方さんから怒鳴られてるのも何度もみてますしね。」
その顔は妹を気遣う兄そのもの。