櫻春風花ーかざはなー




「永倉先生!藤堂先生!」



「「!!」」




道場に駆け込んで来た瑠璃を見つけるなり、稽古を中断し、瑠璃の元へ駆け寄る永倉と藤堂。


「瑠璃!」

「どうだった!?」


興奮気味に聞いてくる二人に、瑠璃は笑顔で微笑んだ。


「本当!?」

「やったな!瑠璃ーっ!」



まるで自分のことのように喜ぶ永倉と藤堂。
藤堂に至ってはもう涙を拭っている。




「頑張ったもんな!瑠璃!
がっ、がんばっだもんなぁっっ!」


「あーあー、お前が泣くとこじゃねぇだろ平助ー!」


「っ藤堂先生、鼻水鼻水!笑」


「うるさいっ!男泣きしてんの!」




この光景を見て、道場の外にいた沖田もくすくすと笑っていた。

鼻水を啜りながら言い訳する藤堂を見ながら笑う瑠璃は、きりっと表情を引き締めると




「先生方、これからは一隊士としてご指導よろしくお願いいたします!」


礼儀正しくお辞儀をした。

それに答えるように二人もしっかりと返事をする。


「あぁ。任せろ」「うん。」


「それと沖田先生!」



瑠璃は振り向くと、沖田を呼ぶ。


「これから、実践指導、よろしくお願いします。」


「はい。これからはビシビシ指導しますから、覚悟しててくださいねー」


「望むところです!」



強い目をしてはっきりと答えた瑠璃に沖田は笑いかけた。

< 48 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop