櫻春風花ーかざはなー
「永倉先生!藤堂先生!」
「「!!」」
道場に駆け込んで来た瑠璃を見つけるなり、稽古を中断し、瑠璃の元へ駆け寄る永倉と藤堂。
「瑠璃!」
「どうだった!?」
興奮気味に聞いてくる二人に、瑠璃は笑顔で微笑んだ。
「本当!?」
「やったな!瑠璃ーっ!」
まるで自分のことのように喜ぶ永倉と藤堂。
藤堂に至ってはもう涙を拭っている。
「頑張ったもんな!瑠璃!
がっ、がんばっだもんなぁっっ!」
「あーあー、お前が泣くとこじゃねぇだろ平助ー!」
「っ藤堂先生、鼻水鼻水!笑」
「うるさいっ!男泣きしてんの!」
この光景を見て、道場の外にいた沖田もくすくすと笑っていた。
鼻水を啜りながら言い訳する藤堂を見ながら笑う瑠璃は、きりっと表情を引き締めると
「先生方、これからは一隊士としてご指導よろしくお願いいたします!」
礼儀正しくお辞儀をした。
それに答えるように二人もしっかりと返事をする。
「あぁ。任せろ」「うん。」
「それと沖田先生!」
瑠璃は振り向くと、沖田を呼ぶ。
「これから、実践指導、よろしくお願いします。」
「はい。これからはビシビシ指導しますから、覚悟しててくださいねー」
「望むところです!」
強い目をしてはっきりと答えた瑠璃に沖田は笑いかけた。