櫻春風花ーかざはなー
瑠璃たちが出ていき、静まり返っていた局長室では、
「いやしかし、あの歳がなぁ?」
「な、なんだよ勝ちゃん!」
「すっかり可愛い弟子になったな。」
「あ!?」
近藤は正直、土方が真剣に人にものを教えるのを久々に見た。
ましてや、自ら進んで剣術指導をするなど、考えられなかったのだ。
「本当によかったのか?」
「何がだよ。」
「それは勝ちゃんも同じだろ。」
剣を持たせるということは、いずれは人を斬らなければならない。
戦場に立たなければならないということ。
「この選択は、きっとあいつの人生を狂わしちまうんだろうな。」
表情を歪めて話す土方を、近藤はただ黙って見つめる。