櫻春風花ーかざはなー
「正直、不安なんだ。
これで本当によかったのかって。
あいつの、女としての生活を奪っちまって、本当によかったのかって。」
“不安”
普段土方が口にしないような単語だ。
つまり、それほど瑠璃の入隊には苦悩したということ。
剣客として生きるということはすなわち、もう普通の女性として生きることは出来ない。
それを、近藤や土方は分かっていた。
「そうだな。」
静かに近藤は頷いた。
「けど、俺はあいつを信じるよ。
瑠璃なら、あいつなら俺達にそんな後悔をさせない。絶対に。」
「あぁ。」
ゆっくり、そしてはっきりと頷いてみせた近藤。