櫻春風花ーかざはなー
「それにさ、勝ちゃん。」
「?」
終始下を向いていた土方が遠くを見据えながら近藤に呼びかけた。
「なんだかんだ言って、あいつと一緒に戦ってみたかったんだ。
同じ、“仲間”としてさ。」
フッと、真っ直ぐに見つめた視線の先には、沖田達と共に歩く瑠璃の姿があった。
「あぁ。そうだな。」
もはや、瑠璃は弟子ではない。
他でもない一人の“仲間”なのだ。
たとえ、その人生が波乱であったとしても、瑠璃ならきっと受け止められる。
二人は、改めてそう確信したのだった。