櫻春風花ーかざはなー
大きくなった茜色の太陽は西に傾き始め、四つの影法師を長く伸ばしていた。
「まーでもよかったな!
いい刀と脇差し見つかって!」
「はい!」
程なくして瑠璃たちは店を出た。瑠璃の手には細身の刀と、脇差しがひと振りずつ。
これから瑠璃が腰に携えて走るのだ。
「でもすみません…、こんな時分まで付き合わせてしまって…」
申し訳なさそうに俯く瑠璃に原田は、
「なーにいってんだよ!こちとら光栄だぜ?瑠璃の相棒探しに行けたんだからよー!
なっ新八!」
「お前はほとんど役立たずだったけどな。体格を考えろコんの馬鹿力!」
「なっ、役立たずはお前もだろー!」
「るせーよ!結局は総司が美味しいとこもっていったんだろうが!」
「ごちそうさまでしたー!」
二人の言い合いでなぜか標的が沖田になったが、流石、軽くかわしてしまった。