櫻春風花ーかざはなー


そろそろ日も高くなって来た頃、朝稽古を終えた隊士達は朝食の席につき始めていた。



「てか瑠璃さぁ、デカくなった?」

「は?」



稽古を終えた瑠璃と永倉。
桶の中で手ぬぐいを洗っていた瑠璃は、それまで忙しなく動かしていた手をとめ、呆けていた。



「いや、変な意味じゃなくて「おー?新八お前瑠璃を口説いてんのかー?」なっ」

「左之止めときなよ瑠璃困ってんじゃん。おはよ瑠璃。」

「お、おはようございます…」



タイミングが良いのか悪いのか、がしっと永倉の首に巻き付くようにどついてきたのは、
十番隊組長、原田左之助。

と、その後ろから宥めるように現れたのは藤堂平助。こちらも八番隊組長という肩書を持つ男である。


なんとも朝から騒がしい面子だ。
< 58 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop