櫻春風花ーかざはなー
そろそろ日も高くなって来た頃、朝稽古を終えた隊士達は朝食の席につき始めていた。
「てか瑠璃さぁ、デカくなった?」
「は?」
稽古を終えた瑠璃と永倉。
桶の中で手ぬぐいを洗っていた瑠璃は、それまで忙しなく動かしていた手をとめ、呆けていた。
「いや、変な意味じゃなくて「おー?新八お前瑠璃を口説いてんのかー?」なっ」
「左之止めときなよ瑠璃困ってんじゃん。おはよ瑠璃。」
「お、おはようございます…」
タイミングが良いのか悪いのか、がしっと永倉の首に巻き付くようにどついてきたのは、
十番隊組長、原田左之助。
と、その後ろから宥めるように現れたのは藤堂平助。こちらも八番隊組長という肩書を持つ男である。
なんとも朝から騒がしい面子だ。