櫻春風花ーかざはなー
「帰るところがないのなら、ここにいますか?」
総司の口から出て来た言葉は、だれもが予想だにしなかったものだった。
「お前なに勝手に!いくらなんでもこんなちっさいガキ、」
「だけど、また外に出すわけにもいかないでしょう!」
「まぁまぁ二人とも、大声を出すんじゃない、お嬢さんが怖がっているだろう。」
少女を見れば、近藤の影に隠れて怯えていた。
「じゃあどうするんだ?このままここに置いておく義理もねぇだろう。」
確かに、土方のいうことも尤もだ。
「それに、年端のいかねー小娘が屯所にいることがばれるのも時間の問題だぜ?」
「それは話して説明すれば済むことでしょう。」
「だがな、総司、敵が奇襲しかけて来たときにっ、こんなちっさいガキの面倒だれがみんだよ!」
「かけてきません!会津藩お預かりの武装集団の屯所になんか!」
「じゃあ!そういい切れる理由は?どこにあるのか?あっち(敵)の忍の腕がよかったら今も既に情報が回ってるかもしれねんだぞ!あぁ!?」
「それは……」
言い返す言葉が見つからず黙ってしまった総司。