マリアはただいま魔法の修行中
──ノア──
式場についた。
だが、それが問題ではない。今日は注意を払わなければ…
「ヒト、イッパイ!」
「そうでしょ!終わったらマグルシティにいこう。」
「ヤッタァー!パパ、ヤクソク!」
「うん。約束。」
なぜなら、最近子供さらいが多いから。
「パパの手を離すなよ。絶対にだ。」
「ウン!」
とくに、こんな可愛いマリアは連れ去られたら困る!
ボッチはいやだぁー!
「ねぇ、ノア!」
ん?
「やっぱりノアだー!久しぶり。2年ぶりくらいかしら。卒業式以来ね。」
「あぁ、久しぶり。リタ。」
こいつはリタ同い年。しかも、マグルリオンドゥール学校卒業。首席ではないけど、俺と同じで優秀だ。
「パパ、コノヒトダアレ?」
「パパのお友達。」
「ノア、あんた子供できたの?」
魔法会話。これなら聞かれない。
(違う。僕のこじゃない。)
(じゃあ誰の子よ?)
(それは言えない。)
(はぁ?なんでよ!)
(どうしても。)
(もう、意味わかんない。どうせただの人間の子でしょ?)
(いや、違う。)
(何が違うのよ)
(この子にさわればわかる。)
(はぁ?)
「ねぇ、お名前は?」
「マリア!」
「私はリタよろしくね!」
「ヨロシク!」
リタはマリアの手を握った。
(ん?もしかして、)
(そのもしかしてだ。)
「なるほどね。どうするつもり?」
「旅をする。学校には入れない。」
「はぁ?どういうこと?文字も覚えさせないつもり?」
「いや、こいつ、覚えが早い。学校なんかに入れなくてもいいだろう。それに優秀なヤツがいるじゃないか。ここに。」
「あぁ、そうだったわね。マグルリオンドゥール学校首席卒業だもんね。学校いかなくても、当たりまえか。」
「あぁ、あとこんな可愛いやつを離すことなんてできない。だから、いかせない。それに男しかいない。絶対いかせるか!昔のお前みたいな人生は歩ませたくはない。」
「だね。あれは災厄だった。」
「あぁ。今でも忘れられないよ。だからだ。」
「さすが過保護パパ。頑張れ!」
「パパ、カホゴッテナニ?」
「お前は知らなくていい。」
「ネエネエ、オシエテェー!」
「過保護っていうのはね、必要以上に守るってこと。」
「ヘェ!パパ、カホゴ!イツモカホゴ!」
「リター!なんてことを教えるんだ!」
「いや、いつかは覚えるでしょ?」
「でも、」
「で、も?カホゴノア!」
「うるさい。しょうがないだろ。だって、」
「だって?」
「か、か、」
「か?」
「カ?」
「可愛いんだもん。しょうがないでしょ!何回も言わせるなアホリタ!」
「は?アホって、何よ?アホって!」
「そのまんまの意味だ。」
「フッ照れちゃってぇー!」
「マリア、ウレシイ!パパ、ダイスキ!」
「パパもだよー!」
「うわーこれはスキになっちゃうわー可愛いもんなぁー!」
「うるさい!黙れアホリタ!」
「は?もういっぺんいってみろ、カホゴノア!」
そして、成人式が終わるまで、永遠に同じような話をした。
まぁ、異常はなし。マリアは無事安全!
< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop