恋愛イデアル。
詩集。
·詩集。

イデアルは長月遥に続き成熟したヒロインであり、しかしそれはさらに次の段階に進むべきことを予感させていた。

その橋頭堡はリルケの詩集や古今和歌集といえた。
過去の文化から学び、過去の様式に則る。それはまるで問いかけといえた。
たとえば折り紙も。
長月遥は、折り紙を折る。
それは鶴、飛行機、紙風船だ。

色とりどりの和紙、折り紙だ。
そして、長月遥は文庫本を読んでいた。それは古今和歌集だ。季節が過ぎていく。冬空だ。

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