恋愛イデアル。
釣りをするイデアル。
·釣りをするイデアル。

ここ水守市は低湿湿地で、あちこちに池や沼があり、釣り好きには打ってつけの場所柄であった。

女子イデアルは放課後になると、スマホと釣り竿を片手に近所の沼や池に釣りに向かう。で、そこで植物を調べたりする。そんなある日の学校での昼休みのことだ。

「季節はそろそろ春になるなあ」
と、イデアルが紅白弁当の包みをひろげながらいった。
「そうですね」
と長月遥。サンドイッチだ。ホットティーである。
「リンネは釣りはしないのか?」とリンネに話を振るイデアル。
「んあ、ごほごほ

菓子パンを食べているときに話しかけるなよな」とリンネ。

「それは失礼をした」
とイデアル。眉をひそめるリンネ。

しばらくして。

釣りかあ、とリンネ。
だらだらと雑談をする。
春が近いのだった。だから、眠気もかなり強く、午後の授業では眠りに入る生徒もいた。
< 159 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop