恋愛イデアル。
真剣に生きること。
·お弁当だ。  

女子高生イデアルは毎朝おこなうことはお弁当をつくるために、ソーセージか玉子、パンを焼くことである。

「ご飯ですね」と長月遥。

登下校時だ。

中央地区のカフェなどはコロナウイルスの蔓延により閉鎖されていた。それらは何とも気持ちを落ち込ませるもので、さらにメディアの話題も、今後の自然災害にともなう蔓延のおそれ、さらに地域格差などもあり、おおむね暗いものであった。

唯一の幸いはコロナウイルスは令和二年四月十七日目には国内ではまだ余裕があることと、それまでの景気拡大により、やはり格差が是正されており、心理面ではまだ粘るひとや日本人ならではの職業意識やさらに生粋の真面目さがよい方向に向かったことである。

台湾が封じ込めに成功し、さらに国内の製造業も医療機器の増産をはじめていた。

したがって現状はまだ娯楽も十分に維持され、さらに日本人はコロナウイルスがもたらした心理的な衝撃に慣れはじめていた。それが前向きな考え方を生み出し、自分自身を克己しようとしていた。

独創性とはしばしば危機のなかで生まれるものだ。それにいまさら、表面を取り繕っても意味はほとんどないのだ。

真剣に生きることがたしかに必要だった。
< 172 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop