恋愛イデアル。
佳人薄命
花見れば憂いを忘れ。

長月遥が文庫本を読んでいた。教室で。
クラスメイト。

古今集だ。
テスト対策とメンテナンス。

春の歌。52。
『年ふれば齢は老いぬ 然はあれど 花をし見れば物思いもなし』

一体誰が詠んだという歌でしょう?

長月遥は苦労してその歌が詠まれた歌人や状況を知ろうとする。

『清和母后明子 昌奉三年正月一日崩七十二 太皇太后宮』

『染殿(そめどの)のささせのお前に花がめに桜の花をささせたまえるを見てよめる

忠仁公 摂政 太政大臣』

長月遥はそれを読み終えると人間の生には限りがあること、佳人薄命(かじんはくめい)と思わざるを得なかったのでした。



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