恋愛イデアル。
晩夏。
晩夏(ばんか)。

少しずつ冷えていく北半球。
八月の終わりほど。

イデアルと長月遥が話し合っていた。午後の学校の教室で。教室に多くのクラスメイトがいる。

「漫画などを丁寧に読めば、そこから知恵を引き出せると感じる」とイデアル。

長月遥はため息。

「つまり基礎にあるのは読書の仕方、つまり技術と?」

「そ。
技術だね。

あとは読書の目的だ」とイデアル。

「ですが、読書に目的などあるのでしょうか?」
「必要とする本はどこかでやって来るんだよ

欠けているものは外からやって来るもの」とイデアル。

そして夏の日差しが弱まっていく。
秋雨の気配だろうか?

「ご飯だよな」ふっと我に帰るイデアル。
鶏肉とキュウリのサンドイッチ。紅茶だ。
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