365日のラブストーリー
「わかりました。じゃあ土曜日にかならず」
相手が通話を切るのを待ってから、有紗は大きく息をついた。スマートフォンをバッグに戻し、会話をもう一度思い出す。
(……七時。じゃあ、準備があるから五時半には起きないと)
それにしても、そんな早い時間から神長はいったいどこに行きたいのだろう。買い物に行くにも、デパートは当然開店前だ。まさか早朝の散歩に付き合ってくれ、なんていうことはあり得ない。
(あ、新しい電子機器の発売なのかも、開店前の行列に並ぶとか)
エンジニアは常に新しいガジェットに興味があると、どこかで聞いたことある。それなら半分罰ゲームのニュアンスもあって、あの日のお礼にふさわしい。
(二人居れば、交代でそこに立ってればいいし、お店がオープンしたらわたしはもう用済みになるし。そうだ、一人一台限定の商品を買おうとしているのかも)
考えているうちに、その予想が正しいような気がしてくる。
会社が近くなり、有紗はIDカードを取り出した。そのとき、神長からのメッセージがもう届いたのか、スマートフォンが二度震えた。
相手が通話を切るのを待ってから、有紗は大きく息をついた。スマートフォンをバッグに戻し、会話をもう一度思い出す。
(……七時。じゃあ、準備があるから五時半には起きないと)
それにしても、そんな早い時間から神長はいったいどこに行きたいのだろう。買い物に行くにも、デパートは当然開店前だ。まさか早朝の散歩に付き合ってくれ、なんていうことはあり得ない。
(あ、新しい電子機器の発売なのかも、開店前の行列に並ぶとか)
エンジニアは常に新しいガジェットに興味があると、どこかで聞いたことある。それなら半分罰ゲームのニュアンスもあって、あの日のお礼にふさわしい。
(二人居れば、交代でそこに立ってればいいし、お店がオープンしたらわたしはもう用済みになるし。そうだ、一人一台限定の商品を買おうとしているのかも)
考えているうちに、その予想が正しいような気がしてくる。
会社が近くなり、有紗はIDカードを取り出した。そのとき、神長からのメッセージがもう届いたのか、スマートフォンが二度震えた。