365日のラブストーリー
「神長さん、一緒に行く相手がわたしで良かったんですか?」
「人を見て場所を選んでいるつもりですが」
「食いしん坊に見える、みたいな……?」
神長は突然運転席の窓の方に顔を背けた。よく見れば、笑いをかみ殺しているようだ。
「いえ、そういう意味ではなく」
しばらくして正面に向き直る。
「もし普段行き慣れない場所にとつぜん連れて行けば、相手を疲れさせるでしょう。綿貫さんはたぶん、普段からそういった場所に行く機会があるでしょうから、気兼ねなく誘えます」
「え? え?」
家族、親族との集まりではそれなりの場所に連れて行かれるのが定例だが、もちろん神長にそんな話をしたことはない。
「違いましたか?」
「いえ、たぶん正しいです。けど、どうしてそう思ったんですか?」
「その人を見れば大体分かります。普段どんな場所で何を食べて暮らしているのかは」
「人を見て場所を選んでいるつもりですが」
「食いしん坊に見える、みたいな……?」
神長は突然運転席の窓の方に顔を背けた。よく見れば、笑いをかみ殺しているようだ。
「いえ、そういう意味ではなく」
しばらくして正面に向き直る。
「もし普段行き慣れない場所にとつぜん連れて行けば、相手を疲れさせるでしょう。綿貫さんはたぶん、普段からそういった場所に行く機会があるでしょうから、気兼ねなく誘えます」
「え? え?」
家族、親族との集まりではそれなりの場所に連れて行かれるのが定例だが、もちろん神長にそんな話をしたことはない。
「違いましたか?」
「いえ、たぶん正しいです。けど、どうしてそう思ったんですか?」
「その人を見れば大体分かります。普段どんな場所で何を食べて暮らしているのかは」