365日のラブストーリー
2

 翌朝になっても、週末目一杯遊んだ疲れが抜けずに、有紗はため息ばかり落としていた。
デスクの下でだるくなった足を上げたり下げたりしてみる。これといった効果も得られずに、思い立ってスマートフォンの歩数計を確認して、納得した。

(こんなに歩いたんだ。二日間だけで)

 少し前まで週末と言えば一日は家でのんびり本を読み、もう一日は新宿まで買い物に出かけるくらいだった。身体がついてこないわけだ。

 随分と密度の濃い週末だった。
 昨日は暗くなるまで外出して、夜は千晃の家を訪れて夕食を作った。二十一時に家を出たが、電車に揺られて自宅に着いたのは二十二時半だった。

(今日は帰ったら絶対に洗濯しなきゃ)

 考えただけでげんなりしてしまうが、自分がやらなければ誰もやってくれる人はいないのだ。こんなとき、実家の温かさが恋しくなる
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