365日のラブストーリー
あれこれ考えながらも仕事に取りかかろうとすると、内線が入った。
「人事部、綿貫です」
「おはようございます、システム課の神長ですが」
「あっ」
思わず声が漏れた。周りの人の目が自分に向いている。有紗は「おつかれさまです」と慌てて返答した。
「宇美部長はお手すきですか」
「あ、はい。ただいまおつなぎいたします」
耳元に残る声に、心臓がドキドキしている。有紗はゆっくり息を吐き出しながら保留を押して、受話器を下ろした。
「宇美さん、内線一番に神長さんからです」
軽く手を上げて、それから宇美は受話器を取り上げた。
おはようございますと挨拶をされたのに、定型文のような返事しかできなかった。機転の利かない自分に有紗は朝からがっかりする。
「綿貫、神長さん来るから書類受け取っておいてもらえる? 私これからすぐ部長会議なんだわ」
電話を終えた宇美が、慌ただしく席を立つ。確か、あと三十分後に開始のはずだが、今日は進行役なのだろうか。
「人事部、綿貫です」
「おはようございます、システム課の神長ですが」
「あっ」
思わず声が漏れた。周りの人の目が自分に向いている。有紗は「おつかれさまです」と慌てて返答した。
「宇美部長はお手すきですか」
「あ、はい。ただいまおつなぎいたします」
耳元に残る声に、心臓がドキドキしている。有紗はゆっくり息を吐き出しながら保留を押して、受話器を下ろした。
「宇美さん、内線一番に神長さんからです」
軽く手を上げて、それから宇美は受話器を取り上げた。
おはようございますと挨拶をされたのに、定型文のような返事しかできなかった。機転の利かない自分に有紗は朝からがっかりする。
「綿貫、神長さん来るから書類受け取っておいてもらえる? 私これからすぐ部長会議なんだわ」
電話を終えた宇美が、慌ただしく席を立つ。確か、あと三十分後に開始のはずだが、今日は進行役なのだろうか。