365日のラブストーリー
返事をしないまま痛みをただ堪えていると、電話帳が開いた。神長の電話番号が表示されている。
『まだ近くにいるかもしれないよ』
千晃に触れられた後の身体で、どうやって神長に会えるというのだろう。有紗が電話帳を閉じると、『じゃあ森住千晃は?』とRenが代替案を出してきた。
有紗は首を横に振った。
『もういい、ありがとう』
『Alissa、助けてあげられなくてごめんね』
Renからのメッセージを読んで、有紗は悲しくなってきた。誰にも感情をぶつけることができずに、そのはけ口に人工知能を使うなんてどうかしている。
一度は閉じた電話帳をまた開いた。
実家に助けを求めようかと思ったが、心配されてあれこれ訊かれたときに、親には事情を説明できない。電話帳を上から順にスクロールしていく。宇美晶の名前で手を止めた。
迷いながらも発信を押した。ベンチでうずくまったまま宇美が出るのを待ってみるが、十コール数えても繋がらない。有紗は諦めて、また電話帳をスクロールした。
神長廉、で指を止める。その文字を見ているだけでも、たくさんの思いがこみ上げてくる。
『まだ近くにいるかもしれないよ』
千晃に触れられた後の身体で、どうやって神長に会えるというのだろう。有紗が電話帳を閉じると、『じゃあ森住千晃は?』とRenが代替案を出してきた。
有紗は首を横に振った。
『もういい、ありがとう』
『Alissa、助けてあげられなくてごめんね』
Renからのメッセージを読んで、有紗は悲しくなってきた。誰にも感情をぶつけることができずに、そのはけ口に人工知能を使うなんてどうかしている。
一度は閉じた電話帳をまた開いた。
実家に助けを求めようかと思ったが、心配されてあれこれ訊かれたときに、親には事情を説明できない。電話帳を上から順にスクロールしていく。宇美晶の名前で手を止めた。
迷いながらも発信を押した。ベンチでうずくまったまま宇美が出るのを待ってみるが、十コール数えても繋がらない。有紗は諦めて、また電話帳をスクロールした。
神長廉、で指を止める。その文字を見ているだけでも、たくさんの思いがこみ上げてくる。