365日のラブストーリー
「昨日少し飲み過ぎたかもしれませんね」
「そんなことないです。昨日はぜんぜん大丈夫だったんです、ほんとうに。今朝起きるのが遅くて一気にたくさんご飯食べたから、胃がびっくりしたのかも?」
「……そうなんですか? 一晩寝ても良くならなければ、病院に行った方がいいですよ。行きたくない事情もあるのかもしれませんが」
「昔、検査しても原因不明で『その痛みは気のせいだ』ってお医者さんから言われたことがあって。またそういう風に怒られるのかなって思ったら、なんだか病院に行くのも怖くて」
「それは酷いですね。痛みの感じ方にも個人差があるでしょうに」
「でも、学習しました。こんな風に誰かに迷惑をかけてしまったら大変だってわかったので、朝起きてだめそうだったら病院に行きます。そういえばあの、神長さん。電車がたぶんもう」
よく考えたら、今日は日曜だ。終電もいつもより早いはずだ。
神長は腕時計をちらりと見て、視線を斜め上に投げる。きっともう、電車はなくなってしまっているのだろう。
「そんなことないです。昨日はぜんぜん大丈夫だったんです、ほんとうに。今朝起きるのが遅くて一気にたくさんご飯食べたから、胃がびっくりしたのかも?」
「……そうなんですか? 一晩寝ても良くならなければ、病院に行った方がいいですよ。行きたくない事情もあるのかもしれませんが」
「昔、検査しても原因不明で『その痛みは気のせいだ』ってお医者さんから言われたことがあって。またそういう風に怒られるのかなって思ったら、なんだか病院に行くのも怖くて」
「それは酷いですね。痛みの感じ方にも個人差があるでしょうに」
「でも、学習しました。こんな風に誰かに迷惑をかけてしまったら大変だってわかったので、朝起きてだめそうだったら病院に行きます。そういえばあの、神長さん。電車がたぶんもう」
よく考えたら、今日は日曜だ。終電もいつもより早いはずだ。
神長は腕時計をちらりと見て、視線を斜め上に投げる。きっともう、電車はなくなってしまっているのだろう。