365日のラブストーリー
友達で居ようと何度も決心しているはずなのに、神長に会うと心の壁が崩れ落ちて、無防備にされてしまう。距離を取ろうとすればするほど、恋しさに拍車がかかるだけだ。
そのとき、神長の手が両肩にかかった。胸から引き剥がされて顔を上げると「有紗ちゃん?」と、千晃の声がして有紗は息を詰めた。
声の方向に振り返る。すると、なぜかそこに千晃の姿があった。
「……そういうことかよ」
向き直ると、千晃は自嘲気味に笑った。
「帰り際に様子がおかしいと思って、心配して来てみたけれど。他の男と会う用事があったからか。しかも神長さんって」
「わたし、おなかが痛くて動けなくなってしまって。それで」
「だったらなんで俺に連絡よこさないんだよ」
有紗は何も言えないまま立ち尽くした。言いたいことはたくさんあった。けれどそのどれもが、千晃にはいいわけにしか聞こえないだろう。
冷ややかな眼差しを受けていると、また腹部に強い痛みが走る。有紗は歯を食いしばって痛みを堪えた。それが嘘じゃないことは伝わるのか、千晃の表情に不安が混ざる。
そのとき、神長の手が両肩にかかった。胸から引き剥がされて顔を上げると「有紗ちゃん?」と、千晃の声がして有紗は息を詰めた。
声の方向に振り返る。すると、なぜかそこに千晃の姿があった。
「……そういうことかよ」
向き直ると、千晃は自嘲気味に笑った。
「帰り際に様子がおかしいと思って、心配して来てみたけれど。他の男と会う用事があったからか。しかも神長さんって」
「わたし、おなかが痛くて動けなくなってしまって。それで」
「だったらなんで俺に連絡よこさないんだよ」
有紗は何も言えないまま立ち尽くした。言いたいことはたくさんあった。けれどそのどれもが、千晃にはいいわけにしか聞こえないだろう。
冷ややかな眼差しを受けていると、また腹部に強い痛みが走る。有紗は歯を食いしばって痛みを堪えた。それが嘘じゃないことは伝わるのか、千晃の表情に不安が混ざる。