365日のラブストーリー
「そっか、こういうのもだめなんだよな」
苦笑して、千晃は鞄の中から紙袋を取りだした。
「ここに来る途中で買ってきただけだから、別に特別なものじゃないけど」
手渡された袋には見覚えのあるスープ専門店のロゴが入っている。中には保冷バックがあるから、内容は冷凍持ち帰り用のスープだろう。ずっしりとした重みがある。
「ほんとは有紗ちゃんの好きなスイーツを買ってきたかったけど。たぶんちゃんと飯も食えないでしょ、いま」
「ありがとうございます。大好きですスープストック。朝のおかゆが美味しくて、出社前にときどき寄り道してるんです」
千晃は急に、これまでの硬い表情を崩した。
「やっぱ有紗ちゃんは、美味しいものの話してるときがかわいいや」
「えっ」
「早く元気になって」
「……はい」
頷くと、千晃の顔にようやく笑顔が浮かんだ。
「せっかくスリッパまで用意してもらったけど、帰るわ。心暖迎えに行かなきゃいけないから」
苦笑して、千晃は鞄の中から紙袋を取りだした。
「ここに来る途中で買ってきただけだから、別に特別なものじゃないけど」
手渡された袋には見覚えのあるスープ専門店のロゴが入っている。中には保冷バックがあるから、内容は冷凍持ち帰り用のスープだろう。ずっしりとした重みがある。
「ほんとは有紗ちゃんの好きなスイーツを買ってきたかったけど。たぶんちゃんと飯も食えないでしょ、いま」
「ありがとうございます。大好きですスープストック。朝のおかゆが美味しくて、出社前にときどき寄り道してるんです」
千晃は急に、これまでの硬い表情を崩した。
「やっぱ有紗ちゃんは、美味しいものの話してるときがかわいいや」
「えっ」
「早く元気になって」
「……はい」
頷くと、千晃の顔にようやく笑顔が浮かんだ。
「せっかくスリッパまで用意してもらったけど、帰るわ。心暖迎えに行かなきゃいけないから」