365日のラブストーリー
自分が三百円を払う、払わないでレジ前でもめれば恥をかかせるだけだ。ここはおとなしくしたがって、店を離れてから払えばいい。おかきは宇美にでも渡せば喜ぶかもしれない。人のものをつまみ食いするのが好きな人だ。
有紗は先に店を出て、財布から小銭を用意した。
ビニール袋を下げた千晃は自動ドアから出てくると、「行こう」と促してきた。
(これはいったい、なんのドキドキなんだろう)
はやる鼓動を押さえようと、有紗は胸に手をあてた。とりあえず昨日のお礼と、おかき代の支払いだ。
「昨日は――」
「前から思ってたけど仲いいよね、神長さん」
千晃が上から言葉をかぶせてきた。それから、有紗が手のひらに用意していた小銭を「いらない」と断って、ポケットに手を突っ込む。
「ほんとは俺が手伝いたかったんだけど」
「神長さんから聞きました。ありがとうございます」
有紗は先に店を出て、財布から小銭を用意した。
ビニール袋を下げた千晃は自動ドアから出てくると、「行こう」と促してきた。
(これはいったい、なんのドキドキなんだろう)
はやる鼓動を押さえようと、有紗は胸に手をあてた。とりあえず昨日のお礼と、おかき代の支払いだ。
「昨日は――」
「前から思ってたけど仲いいよね、神長さん」
千晃が上から言葉をかぶせてきた。それから、有紗が手のひらに用意していた小銭を「いらない」と断って、ポケットに手を突っ込む。
「ほんとは俺が手伝いたかったんだけど」
「神長さんから聞きました。ありがとうございます」