365日のラブストーリー
繋いでいた指が解け、頬を掬われる。
緊張でがちがちになりながら、神長を凝視していると、整った顔が迫ってきた。震えるほど強く瞼を閉じてそのときを待っていると、神長は頬を触れあわせてきた。
(ああ、冗談か。びっくりした。神長さんってときどき真顔で冗談を言うから。……でも、これはこれで)
肌のぬくもりに鼓動が速まる。ゆっくりと瞼を開けてみると、目の前には神長の首筋がある。ふわりと立ち上るムスクの香りに頭の芯が沸騰しそうだ。
(どうしよう、ぜんぶ大好きだ)
神長の背中に腕を回す。それが彼にとって予想外の行動だったのか、背中が一瞬揺れる。しばらく互いの存在を確かめ合ってから、頬が離れる。満ち足りた気持ちに浸りながら腕を解くと、唇に柔らかいものが触れた。
(えっ)
額がこつんとぶつかって、目を見つめられる。それからもう一度唇を合わさった。
「何か変わりましたか」神長が訊いてきた。
「すごくどきどきします」爆発しそうな想いを押さえ込んで、有紗はそれだけ答える。
「それは俺もですけれど。……俺と綿貫さんの関係は何か変わりましたか?」
緊張でがちがちになりながら、神長を凝視していると、整った顔が迫ってきた。震えるほど強く瞼を閉じてそのときを待っていると、神長は頬を触れあわせてきた。
(ああ、冗談か。びっくりした。神長さんってときどき真顔で冗談を言うから。……でも、これはこれで)
肌のぬくもりに鼓動が速まる。ゆっくりと瞼を開けてみると、目の前には神長の首筋がある。ふわりと立ち上るムスクの香りに頭の芯が沸騰しそうだ。
(どうしよう、ぜんぶ大好きだ)
神長の背中に腕を回す。それが彼にとって予想外の行動だったのか、背中が一瞬揺れる。しばらく互いの存在を確かめ合ってから、頬が離れる。満ち足りた気持ちに浸りながら腕を解くと、唇に柔らかいものが触れた。
(えっ)
額がこつんとぶつかって、目を見つめられる。それからもう一度唇を合わさった。
「何か変わりましたか」神長が訊いてきた。
「すごくどきどきします」爆発しそうな想いを押さえ込んで、有紗はそれだけ答える。
「それは俺もですけれど。……俺と綿貫さんの関係は何か変わりましたか?」