365日のラブストーリー
(わたしが気持ちを打ち明けてしまったから、神長さんからはもう、坂巻さんとのことはもう何も言ってこないかもしれない。でも、このまま離れてしまってほしくない。坂巻さんだったら、今日してくれたような話だって、きっとわかってくれるのに)

 自分に何か出来ることがないかと考えてしまうのは、単なるお節介だろうか。

(神長さんは人の気持ちがわかりすぎてしまうから)

 仕事ではそれがプラスに働いても、プライベートでは優しさ故に自分を抑えすぎてしまうことがあるのかもしれない。

「行きましょう」
 神長は有紗の背から手を離し、思い悩む有紗の顔を覗き込んできた。







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