365日のラブストーリー
「うーん、明日のランチとかどうだろう。そこを逃すとかなり先になりそうで」
「ぜんぜん大丈夫です。わたし、どこか場所決めておきますね。決まったらメッセージ送りますから」
「ありがとう、お願いします」
椅子から立ち上がり「じゃあ」と軽く頭を下げて、坂巻はまたシステム課に戻っていった。
仕切りの向こうからは、話し合いをする声が聞こえてくる。
(思いっきり神長さんの仕事の邪魔をしてしまった。神長さんからなにか突っ込まれるかなあ)
有紗は椅子を戻してから、大きく息を吐き出した。エレベーターボタンを連打して逃げるように人事部に向かい、自席に座る。
まだ誰もいない朝のオフィス。仕事に取りかかるためのエネルギーは、すっかり搾り取られてしまった。引き出しから買い置きのチョコレートを一粒出して、口に含む。
プラザで買ったリンドール、ミルクフィリングの優しい甘さでほっと一息ついてから、有紗はスマートフォンを取りだした。
初めは、なんてことをしてくれるのかと驚いたが、今となっては千晃に感謝だ。こうでもしてくれなかったら、約束を取り付ける隙は作れなかったに違いない。
「ぜんぜん大丈夫です。わたし、どこか場所決めておきますね。決まったらメッセージ送りますから」
「ありがとう、お願いします」
椅子から立ち上がり「じゃあ」と軽く頭を下げて、坂巻はまたシステム課に戻っていった。
仕切りの向こうからは、話し合いをする声が聞こえてくる。
(思いっきり神長さんの仕事の邪魔をしてしまった。神長さんからなにか突っ込まれるかなあ)
有紗は椅子を戻してから、大きく息を吐き出した。エレベーターボタンを連打して逃げるように人事部に向かい、自席に座る。
まだ誰もいない朝のオフィス。仕事に取りかかるためのエネルギーは、すっかり搾り取られてしまった。引き出しから買い置きのチョコレートを一粒出して、口に含む。
プラザで買ったリンドール、ミルクフィリングの優しい甘さでほっと一息ついてから、有紗はスマートフォンを取りだした。
初めは、なんてことをしてくれるのかと驚いたが、今となっては千晃に感謝だ。こうでもしてくれなかったら、約束を取り付ける隙は作れなかったに違いない。