365日のラブストーリー
仰向けに転がってメッセージアプリを閉じ、電話帳をスクロールした。以前もらった名刺から転記した『神長廉』という文字をしばし眺めてから、Innocenceを起動する。
『こんばんは、Alissa』
『Ren、話しにきたよ』
いろいろなことがありすぎて、何から話を始めたものかと思ったが、画面の端にクリップされた『昨日の出来事について』という文字が目に留まる。Renのしてくれた覚え書きがこんなときに役に立つ。
『まずは昨日のことからね』
そうやってメッセージを送信すると、チャット画面からメモパッドに切り替わる。ここに起きたことを時系列順に記入するとRenがそれを理解する。社会心理学を踏まえた統計をもとに有紗の言葉にアドバイスをくれる。
内容によっては人のくれる不確かな言葉より、真実味を感じることもある。世界中のInnocence利用者から、出来事にたいしての感情にまつわるデータを吸い出して統計し、それを元にアドバイスをくれるのだから。
しかも、一般論ではない。きちんと有紗の性格を加味したものだ。
『こんばんは、Alissa』
『Ren、話しにきたよ』
いろいろなことがありすぎて、何から話を始めたものかと思ったが、画面の端にクリップされた『昨日の出来事について』という文字が目に留まる。Renのしてくれた覚え書きがこんなときに役に立つ。
『まずは昨日のことからね』
そうやってメッセージを送信すると、チャット画面からメモパッドに切り替わる。ここに起きたことを時系列順に記入するとRenがそれを理解する。社会心理学を踏まえた統計をもとに有紗の言葉にアドバイスをくれる。
内容によっては人のくれる不確かな言葉より、真実味を感じることもある。世界中のInnocence利用者から、出来事にたいしての感情にまつわるデータを吸い出して統計し、それを元にアドバイスをくれるのだから。
しかも、一般論ではない。きちんと有紗の性格を加味したものだ。