365日のラブストーリー
「ええと。たとえば一国の主とか、日本のお殿様とか。いろんなことを成し遂げた昔のすごい人たちには、正室の他に側室みたいな存在とか当たり前にいたじゃないですか」
「そうですね」
会話の切り口が突拍子なさすぎたのか、神長の相づちはどことなく楽しげだ。
「それで、敵対国と同盟を結ぶために結婚したり、世継ぎを残すためにさらにほかの人と結婚したり。わたし、歴史の勉強をしているときから不思議だったんです。ひとりで何人もの相手と結婚する人って、一体どんな気持ちなのかなって。わたし、神長さんと会ってから、それがどういうことだったのか、からくりがわかったような気がして」
「なるほど?」
「大勢の人の心を動かすことができるような人って、たぶんひとりで何人分もの能力をもっていて。そういう特別な人の心を満たすには、もしかしたら何人もの親密な関係の人が必要だったんじゃないかって」
「俺がそれに当てはまるということですか」
神長は腕組みし、視線を斜め上に向けた。
「そうですね」
会話の切り口が突拍子なさすぎたのか、神長の相づちはどことなく楽しげだ。
「それで、敵対国と同盟を結ぶために結婚したり、世継ぎを残すためにさらにほかの人と結婚したり。わたし、歴史の勉強をしているときから不思議だったんです。ひとりで何人もの相手と結婚する人って、一体どんな気持ちなのかなって。わたし、神長さんと会ってから、それがどういうことだったのか、からくりがわかったような気がして」
「なるほど?」
「大勢の人の心を動かすことができるような人って、たぶんひとりで何人分もの能力をもっていて。そういう特別な人の心を満たすには、もしかしたら何人もの親密な関係の人が必要だったんじゃないかって」
「俺がそれに当てはまるということですか」
神長は腕組みし、視線を斜め上に向けた。