365日のラブストーリー
「……水着が着られる体型になるようにダイエット頑張らなきゃ。明日から、ですけど」
「今のままで十分可愛いですよ」
「わたし?」
「他に誰がいるんですか」
神長は身体を有紗の方に傾けた。繋いでいないもう一方の手が、頬に触れて、有紗は視線を泳がせた。ふと顔が近づいて、ぎゅっと目を瞑る。そのまま覚悟を決めたように待ち構え、触れるだけの軽いキスを交わす。
有紗がそっと目を開くと「無理に目は閉じなくていいです」と、神長が笑った。
「すみません。そういうものかなって。目を閉じて、感じる……というような」
植え付けられていた一般論を語りながら、顔から汗が噴き出しそうだった。神長を見つめかえすこともできず、彼の肩に顔を寄せる。
「顔が見えないと不安になるでしょう、綿貫さんの場合は」
どうして神長にはなんでも分かってしまうのか。それはきっと、些細な変化さえ気にかけてくれているからだ。
「タモンから少し離れたところに、いい日本食レストランがあります」
リラックスさせるためなのか、彼は話題を戻してきた。有紗はそっと顔を上げた。
「今のままで十分可愛いですよ」
「わたし?」
「他に誰がいるんですか」
神長は身体を有紗の方に傾けた。繋いでいないもう一方の手が、頬に触れて、有紗は視線を泳がせた。ふと顔が近づいて、ぎゅっと目を瞑る。そのまま覚悟を決めたように待ち構え、触れるだけの軽いキスを交わす。
有紗がそっと目を開くと「無理に目は閉じなくていいです」と、神長が笑った。
「すみません。そういうものかなって。目を閉じて、感じる……というような」
植え付けられていた一般論を語りながら、顔から汗が噴き出しそうだった。神長を見つめかえすこともできず、彼の肩に顔を寄せる。
「顔が見えないと不安になるでしょう、綿貫さんの場合は」
どうして神長にはなんでも分かってしまうのか。それはきっと、些細な変化さえ気にかけてくれているからだ。
「タモンから少し離れたところに、いい日本食レストランがあります」
リラックスさせるためなのか、彼は話題を戻してきた。有紗はそっと顔を上げた。