365日のラブストーリー
まっすぐで真面目な人だ、自分の口から伝えようとしているのだろうか。四月からの人事異動はもう決まっている。新事業のITインフラ担当で、仕事の拠点が主に海外になる。その時点でもう坂巻が神長を選べなかったことはわかるというのに。
「綿貫さんは人事部だし、僕の異動先を知ってがっかりさせたかもしれないけど」
「あの時はわたし、神長さんのためになにかできたらって思ってしまっていて、頼まれてもいないのに必死で。坂巻さんの気持ちも考えずに、色々押しつけてしまって、すみませんでした」
「いや、あの時は僕も頭がごちゃごちゃしていて、きつい言い方になってしまってごめん。でも、話をすることで僕も心の中が整理できたし、感謝してるんだ」
そこでいったん話を切って、坂巻は左右と後ろに視線を振った。
「今後のことになるんだけど。社内でもほんの一部の人しか知らないことなんだけど、それを綿貫さんに伝えられたらなと」
「え、大事な情報をわたしなんかに」
「綿貫さんなら信用できるから」
「綿貫さんは人事部だし、僕の異動先を知ってがっかりさせたかもしれないけど」
「あの時はわたし、神長さんのためになにかできたらって思ってしまっていて、頼まれてもいないのに必死で。坂巻さんの気持ちも考えずに、色々押しつけてしまって、すみませんでした」
「いや、あの時は僕も頭がごちゃごちゃしていて、きつい言い方になってしまってごめん。でも、話をすることで僕も心の中が整理できたし、感謝してるんだ」
そこでいったん話を切って、坂巻は左右と後ろに視線を振った。
「今後のことになるんだけど。社内でもほんの一部の人しか知らないことなんだけど、それを綿貫さんに伝えられたらなと」
「え、大事な情報をわたしなんかに」
「綿貫さんなら信用できるから」