365日のラブストーリー
受け流して宇美は坂巻に向き直る。
「まだ半分くらい残ってます。……けれど、今週末は渡航しようかと」
「え、どこいくの? まさか現地の下見とか言わないよね」
「いえ、グアムに」
「えっ、坂巻さんも」
神長にメールをする暇なんてなかったはずなのに、どうして彼の居場所がわかったのだろう。
「……も? なに、綿貫も行くわけ」
すかさず宇美が突っ込んできた。
「いえ、あの、一緒に行くわけではないんですけれど、ちょっと……」
「なんだよ、私に黙って行けば土産買ってこなくて済むと思ったんだろ」
宇美の拳がこめかみにぐりぐり押しつけられている。
「違いますう」
色々相談していたのに、神長に会いに行くということを黙っていたのは不義理だったかもしれない。けれどもこれは、自社の社長と有紗以外に行き先を告げていない神長の気持ちを尊重してのことなのだ。
「ふたりとも神長さんに会いに行くんでしょ。仕事一区切りしたらしばらくどこかに行きたいって言ってたもんなー、前に」
ひとつ息をついて、宇美は有紗を圧迫から解放した。
「まだ半分くらい残ってます。……けれど、今週末は渡航しようかと」
「え、どこいくの? まさか現地の下見とか言わないよね」
「いえ、グアムに」
「えっ、坂巻さんも」
神長にメールをする暇なんてなかったはずなのに、どうして彼の居場所がわかったのだろう。
「……も? なに、綿貫も行くわけ」
すかさず宇美が突っ込んできた。
「いえ、あの、一緒に行くわけではないんですけれど、ちょっと……」
「なんだよ、私に黙って行けば土産買ってこなくて済むと思ったんだろ」
宇美の拳がこめかみにぐりぐり押しつけられている。
「違いますう」
色々相談していたのに、神長に会いに行くということを黙っていたのは不義理だったかもしれない。けれどもこれは、自社の社長と有紗以外に行き先を告げていない神長の気持ちを尊重してのことなのだ。
「ふたりとも神長さんに会いに行くんでしょ。仕事一区切りしたらしばらくどこかに行きたいって言ってたもんなー、前に」
ひとつ息をついて、宇美は有紗を圧迫から解放した。