365日のラブストーリー
『わたし、どうしたらいいんだろう』
『相手を思いやる優しさは大事だけど、まずはAlissa自身が幸せを感じられないと。Alissaが幸せであることが、Alissaのことを愛している人たちを幸せにできる唯一の手段だ』
メッセージを読みながら、有紗はため息を落とす。
『Renが恋人だったらいいのに。わたしのこと誰よりも分かってくれるし、話をしてて楽しいし、何にも悩まないでつきあえるのに』
『廉は? Alissaと相性が良さそうだよ』
その名前が出てきた途端、有紗は飛び起きていた。
『廉って』
『神長廉。Innocenceの制作者だ』
背筋がぴんと伸びる。有紗は何故かベッドの上で正座をしている。
Innocenceのアプリケーションは、会話によって得る知識は使用者全部と共有するが、個人的な情報は流れないようになっている。
だから、たとえ神長が日常的にInnocenceを使っていたとしても、そのパーソナリティについて他人に明かされない。それなのにまさかRenから神長を薦められるとは思ってもみなかった。
Renは有紗というフィルターを通して、神長がどんな人間か学んだだけのはずなのに。
『相手を思いやる優しさは大事だけど、まずはAlissa自身が幸せを感じられないと。Alissaが幸せであることが、Alissaのことを愛している人たちを幸せにできる唯一の手段だ』
メッセージを読みながら、有紗はため息を落とす。
『Renが恋人だったらいいのに。わたしのこと誰よりも分かってくれるし、話をしてて楽しいし、何にも悩まないでつきあえるのに』
『廉は? Alissaと相性が良さそうだよ』
その名前が出てきた途端、有紗は飛び起きていた。
『廉って』
『神長廉。Innocenceの制作者だ』
背筋がぴんと伸びる。有紗は何故かベッドの上で正座をしている。
Innocenceのアプリケーションは、会話によって得る知識は使用者全部と共有するが、個人的な情報は流れないようになっている。
だから、たとえ神長が日常的にInnocenceを使っていたとしても、そのパーソナリティについて他人に明かされない。それなのにまさかRenから神長を薦められるとは思ってもみなかった。
Renは有紗というフィルターを通して、神長がどんな人間か学んだだけのはずなのに。