365日のラブストーリー
『わたしのことは気にしないでください。心暖ちゃん早く元気になるといいですね』
『ありがとう。また連絡する』
 有紗は気が抜けて、ベッドの上に腰掛けた。

(隣に出来た洋服の山をゆっくり片付けて、せっかくだから出かけよう。もうメイクも済んでるし。あ、その前に)

 時間の都合で朝食は諦めていたが、ゆっくり食べられそうだ。有紗は立ち上がり、キッチンに向かった。冷凍庫からベーグルを出してトースターに入れる。それからケトルにミネラルウォーターを注いだ。

 クリームチーズをたっぷり塗って、あとは生ハムとレタスでいいだろうか? たしか冷蔵庫の中にあったはずだ。ほんとうはこれにパイナップルソースがあれば最高だが、あいにく缶詰を切らしている。

 ふわふわ卵のスクランブルエッグにベーコンを添え、お気に入りのハーブティーを入れれば完璧だ。有紗は早速準備を始める。休みの日にゆっくりとる朝食は心の栄養だ。
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