【短編】私に触れないで。
約束
彼は他の人とは何かが違った。
初めて会ったはずなのに、
懐かしむように私を見てくる。
「あのー、私まだ仕事が残ってて行かないといけないんですけど……」
「じゃあ、明日! 明日はどうですか?」
「いや、それもちょっと…」
「えぇー、ダメですか? そうですか…」
「はい、すみません…」
ちょっと可哀想だけど、仕方ないよね。
「あっ!
じゃあ空いてる日にまたここに来て下さい。
僕はこの時間、毎日ここに居ますから。」
「えぇ、そこまでしなくても…」
「絶対来て下さいね?」
「……ぁ…っ…」