蒼い僕と碧い君~栞が繋いだ君との約束〜

僕の定位置

入学してから、2週間がたった。

僕は、最近見つけた人が少ないお気に入りの場所にいた。
この高校には、二つ図書室がある。

一つは、渡り廊下を渡った先にある。その図書室は、図書委員会がたまに居るくらいで、普段は本当に使われているのかと疑うほど人がいない。

二つ目は、三年生の校舎の一階にあり。最新の漫画や、テレビで話題の小説など、最近の流行にのったものが多く置かれている。
これらの本は、新しく出来た図書室の利用者が増えるようにと図書委員会が置いたものである。

ー僕がいるのは、前者の方だ。
「わざわざ、そんな古びた方に何故?」と思うかもしれないが、これにはちゃんと理由があるのだ。

主な理由は、人が多いのが好きじゃないと言う事だ。
残りの理由は、単に本が面白いのだ。
流行りのやつは、まったくと言っていい程無いが、昔からある有名な作品、掘り出し物の作品を発掘しては時間が許す限り読み漁る。これが、最近のマイブームだ。

今日もまた、読みかけの本を読み始める。
図書室を入って一番奥。入口から死角になっていて、窓が隣にあり、日当たりの良い一人席。

ここが、僕の定位置だ。
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